美しい山河を守る災害復旧工事
わが国は昔から豪雨や台風などの自然災害により、毎年のように各地で大きな被害を受けてきたため、「治水」事業(河川にかかる災害を治めること)が時の為政者のもっとも大きな仕事のひとつとされていました。近年、コンクリートなどの扱いやすく強い材料が普及したことにより、「治水」の目的はいかに河川護岸を頑丈にし水をスムースに流下させるかに主眼がおかれ、河川における生態系の保全や修景は後回しとなっていました。
しかし、平成9年度の河川法改正により、「コンクリートのない川づくり」「コンクリートの見えない川づくり」がすべての河川で目指されることになりました。災害復旧事業においても、コンクリート剥き出しの護岸復旧は不適当とされて、平成10年度から「美しい山河を守る災害復旧基本方針(いわゆる「ガイドライン」)」に沿った復旧工事が行われるようになったのです。
ガイドラインによると、災害復旧事業における環境保全の基本的な考え方は次のようになっています。
- すべての河川で環境の保全に配慮した「コンクリートのない川」もしくは「コンクリートの見えない川」を目指す。
- 瀬や淵を残し、被災前に有していた自然環境を大きく改変しない。
- 被災前に繁茂していた植物や生息していた魚類・両生類・昆虫等が復旧後も自然の回復力によって被災前あるいは近傍と同等の生態系が形成されるように配慮された構造をもつ施設に復旧すること。
- 被災現場や近傍から入手できる木や石など自然の素材をできる限り活用する。
ここでは、市町村が管理する河川における災害復旧工事について解説します(というか、それしか知りません・・・(^_^;))。
本題に入る前に、関連する事項についても若干触れてみたいと思います。
参考文献
平成11年度 美しい山河を守る災害復旧基本方針 (社)全国防災協会
平成11年版 災害手帳 (社)全日本建設技術協会
